うつの海漂流記

2007年9月からうつ病に。3年休職して復職しましたが回復せず、早期退職。一人暮らしをやめて実家へ。

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村上春樹と名古屋

昨夜、午前0時までかけて村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えました。
ちょっと驚いたのは名古屋が重要な舞台になっていることです。
小説に名古屋が登場することは滅多にありません。
東京かもっと地方の市町村がほとんどです。
名古屋で育った小説家が取り上げるならまだわかります。
でも私が知る限り村上春樹と名古屋には接点がありません。
おそらく彼の知人に名古屋に詳しい人間がいるのでしょう。
この作品で名古屋は閉じた共同体を提供する場となっています。
主人公多崎つくるもその共同体のメンバーでした。
これは適切な選択ですね。
現在はグローバリズムの波に飲み込まれていますが、20年くらい前までは名古屋は外部の資本を受け付けない都市でした。
まさしく閉じた共同体だったのです。
一応3大都市圏の一つですが、名古屋は東京圏や関西圏とは違います。
周囲にベッドタウン的な小都市はありますが、大きな都市はありません。
電車に30分も乗れば田園風景が広がっています。
東京圏には千葉、川崎、横浜といった大都市がありお互いに刺激を与えています。
関西圏には京都、奈良、大阪、神戸、堺などがあり、それらが独自の関西文化を作っています。
そういった構造は名古屋にはありません。
この作品に「英文科で有名な私立大学」が出てきます。
名古屋ではこれだけでどこの大学を指しているのかわかります。
それだけ狭い世界なんです。
主人公の多崎つくるはこうした名古屋から脱出して東京に出ます。
彼と一緒に共同体を構成していた仲間たちは名古屋に残るんですね。
私も名古屋に残った口です。
名古屋に残った彼らの気持が述べられていますが、これはほぼそのまま私の昔の気持でもある訳です。
また登場人物の一人は私と同じ大学の同じ学部を卒業しています。
こんなに自分の境遇に近い状況設定の小説ですから、ちょっと思い入れが入りますね。
私は正直言って最近の村上春樹の作品には少し疑問を持っていました。
暴力と巨大な悪が登場するのですが、結局その正体がなんなのか、曖昧なまま終わる作品が多いと思います。
作品が完結していなくて、続編があるような錯覚を抱かせます。
「ノルウェーの森」も「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」も完璧に完結していました。
この作品は「死と再生」を主題にしていると思われますが、曖昧なところはありません。
納得して最後のページを閉じることができました。
東京に出て行った人にも地元に残った人にもお勧めできると思います。。

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テーマ:鬱病 - ジャンル:心と身体

  1. 2013/04/15(月) 19:32:10|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

初めてコメントします

初めてコメントさせていただきます。以前からブログを拝見しておりました、私は20代でうつ病を患っています。
今回の村上春樹の新刊はまだ読んでないのですが、名古屋のなんとなく閉鎖的なイメージはそういった社会構造からあるのだなぁ、と知りました。故郷が登場すると嬉しいものですね。名古屋人から見た書評、ありがとうございます。
  1. 2013/04/15(月) 22:00:29 |
  2. URL |
  3. ねこひろいこ #-
  4. [ 編集 ]

名古屋が舞台なのですか。

読もうかしら。
村上春樹さんの作品はノルウェイの森とねじまき鳥クロニクルと海辺のカフカを
読みました。でも内容は既に忘れてしまいました。
私が作品を読んでいて感じた事は内容が人の潜在意識下を扱っているために
時々突拍子もない内容が描かれているな、と。
でも名古屋の事が書かれているのでしたら、勉強になるので読もうかなと
いう気持ちになりました。私は高校生まで名古屋でしたが、慣れ親しんだ場所は
既になくなっているせいか、もう名古屋の記憶があんまりないのです。


  1. 2013/04/15(月) 22:48:00 |
  2. URL |
  3. medical_rod #-
  4. [ 編集 ]

ねこひろいこ様

ねこひろいこさんは20代ですか。時間はたっぷりありますね。きっとうつ病もいつかよくなって健康な生活が送れると思います。
私が学生時代のころの名古屋は本当に外部資本を受け入れない閉鎖的な都市でした。グローバリズムの波をかぶって地元資本が潰れてしまい、かってのような閉鎖性は失われています。でも地元の人の意識はそう変わっていないと思います。「大きな田舎」なんですね。村上春樹はそうした名古屋の特性をよく作品に生かしています。それにしても村上春樹が名古屋を描くとは思いませんでした。虚を突かれた感じがしますね。
  1. 2013/04/16(火) 17:26:43 |
  2. URL |
  3. オモダカ #-
  4. [ 編集 ]

medical_rod 様

確かにmedical_rod さんが言われるように村上春樹の作品はよく潜在意識を描いていて突拍子もない比喩が使われていたりしますね。
18歳から名古屋を離れていると慣れ親しんだ場所も変わっているでしょう。私はかって自分の卒業した中学校を壊してできた地下鉄の駅で降りたことがあります。あまりの変わりように道がわからず人に訊いてしまいました。バブルとその崩壊で街の中心部も変わっています。
今度の作品はそう長くもありませんし、難解なところも見当たりません。気が向いたら読んでみてください。
  1. 2013/04/16(火) 17:36:48 |
  2. URL |
  3. オモダカ #-
  4. [ 編集 ]

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